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PEST分析とは?コツや進め方などのやり方を理解しよう
PEST分析とは、Politics、Economy、Society、Tecnologyの4つの要素で企業を取り巻く環境を整理・分析するフレームワークです。
PEST分析の主な使用目的は、4要因をリサーチすることで戦略を立案、構築する上で前提となる世の中の動きを把握する際や、新たなニーズを予測し、事業開発や新製品開発のヒントを得ることです。
PEST分析の使用するコツや進め方は、PESTの4要因を無理して洗い出さないことです。また中長期的なマクロ環境の予測を行うことです。
その際、変化するであろうことや変化しないことを明確に区分しその背景の理由もしっかり考えることです。
あれもこれもとPESTに当てはまるような事情を調べても時間の無駄です。もちろん要因の淡い出しは多い方が絶対良いです。
しかし、洗い出しに無駄な時間を消費しても先ほどあげた使用目的を満たさなければ意味がないのです。
PEST分析において重要なことは、4要因の関わり合いと事業にどのような影響があるかを考察することにあります。
そして考察する上で、「あれ、この事象もPESTのPに当てはまりそうだし、事業にも影響を及ぼしかねない要因じゃないか?」と適時疑問が湧いてきます。
その都度PEST分析のフレームワークに当てはまるといいです。
PEST分析のPolitics(政治)の着眼点と調べ方
PEST分析のPoliticsの着眼点は、主に規制緩和・規制強化、税制の変化です。
なぜなら、規制緩和や規制強化はビジネスを行う上での前提条件となるルールになるからです。
国がダメといったことに反する事業形態を行うとペナルティが発生したり最悪の場合事業がポシャる可能性があります。
たとえば、GDPR(欧州の個人情報保護法)です。
欧州議会、欧州理事会および欧州委員会が策定した新しい個人情報保護の枠組み。「EU一般データ保護規則」(GDPR:General Data Protection Regulation)が正式名称です。
グローバル化やクラウドサービスの利用拡大、ビッグデータと呼ばれるように取得・分析されるデータの大幅な増大を背景に、個人情報保護の重要性は高まっていますが、同時にサイバー攻撃、内部不正などによる個人情報漏えいのリスクも急速に高まっている現状があります。
1995年には、EUデータ保護指令が策定されていましたが、それに代わる、より厳格なものとしてGDPRは発効されました。EU(欧州連合)内のすべての個人(市民と居住者)のために、個人データのコントロールを取り戻し、保護を強化することを意図しています。GDPRは、2012年に立案、2016年4月に採択され、2018年5月25日に施行され、個人データを収集、処理をする事業者に対して、多くの義務が課されることになります。
また、EUデータ保護指令は各国での法規定は加盟国ごとにバラバラで良い「指令(Directive)」でしたが、GDPRは「規則(Regulation)」ですので、全てのEU加盟国に共通の法規則として適用される点が大きな違いです。
参照:https://jp.marketo.com/content/gdpr.html
GDPRにより各企業は、GDPRの法令に則るように個人情報の扱い方を変えました。
この時注目して欲しいのが、各企業にとってはGDPRは自社の事業を脅かすリスクでした。
しかし見方を変えると、各企業が自分自身での対応が複雑かつ高度なのでコンサルファーム(特に監査法人)にアウトソースしました。
そのため、監査法人にとってはGDPRは脅威ではなく、収益源となるビジネスチャンスとなるのです。
次に世の中の政治の変化についての情報収集のやり方を解説します。
主に政治の動向のリサーチに使うサイトや情報源は以下の2つ。
- 経済産業省
- 日経新聞
経済産業省には国の政策の今後の見通しや改正された法律や税制などの詳細が乗っています。国の方針を知るだけでも今後のマクロの変化を把握できます。
日経新聞は言わずもがな日頃のニュースをインプットして常にビジネス感を頭にいれておきましょう。
PEST分析のEconomyの着眼点と調べ方
PEST分析のEconomy(経済)の着眼点は、人口減少などの人口動向や、物価や株価・為替の動向です。
なぜなら、これらの要因は事業の収益に大きく影響するからです。
Economy(経済)の動向の調べ方は、総務省統計局に限ります。
総務省統計局には、日本の人口の動向や物価などの最新情報が記載されているだけでなく統計的に調査された様々な有益なデータが載っています。
Economyの具体例は出さなくても理解しやすい分野であると思うので詳細は割愛します。
PEST分析のSociety(社会)の着眼点と調べ方
PEST分析のSociety(社会)の着眼点は、人々のライフスタイルの変化や少子高齢化・人口減少などの社会問題、さらに価値観の変化などです。
なぜならこれの要因は、ビジネスのおいてポジティブにもネガティブにも影響するからです。
たとえば、ライフスタイルの変化として、仕事は定時に上がり家に帰って好きなことをするであったり、価値観の変亜kが好きなことで生きていくというYoutuberが職業になったりしています。
企業は、この変化に対応するためにマーケティング活動としてYoutubeを活用したり、残業時間減による可処分時間の増加によって副業のマッチングサービスが台頭しています。
ライフスタイルの負の影響として、労働者の残業に対する嫌悪感の高まりが企業の生産性の低下に繋がる側面もあります。
Society(社会)の調べ方は、日経新聞を読むのもいいですが一番は最近出版された自己啓発本を読むことです。
その理由として出版社は世の中の人のニーズをリサーチし売れる見込みのある(需要のある)本を出版するという意思決定を下します。
そのため最新の本を障りを読むだけで人々の価値観の変化に簡単に触れることができます。
しかしビジネスマンは忙しいので毎日本屋にいくことができませんよね。
そこで便利なのが本の要約アプリ「flier(フライヤー)」です。
flierは最新の本が10分程度で読めるように要約されています。つまり、最新の本の障り部分を簡単に読むことができるのです。
こちらの「10分の時短読書flier」を利用するのがおすすめです。(初月無料でも利用できます。)
PEST分析のTechnology(技術)の着眼点と調べ方
PEST分析のTechnology(技術)の着眼点は、技術革新が起きてないか、AIなどのITの発展に伴う代替品の出現がないかを見ることです。
なぜなら、これからの時代すべてがITに繋がるスマートシティとなるからです。
常に猛スピードで進化しつづけるITの技術により不可能だったことが可能になります。例えば、工場の管理や生産をすべてロボットで一括管理して効率性の上昇と生産性の上昇が起きています。日本ではまだ実感が少ないと思いますが、中国ではすでにAIやRPAが導入されています。
また、ITの進化によいままで店舗でしか試着できなかった洋服を顧客の体格を測定しデーターを蓄積することでオンライン上で試着できる仕組みになり、アパレル業界にも影響を与えました。
その他にもいま注目すべき技術動向として、Agritech、Fintech、EdTech、その周辺技術としてセキュリティガバナンスが挙げられます。
PEST分析のメリットとデメリット
PEST分析のメリットは、マクロ環境を4つの要因で洗い出すことで要因同士の関係性を俯瞰して観れることで新たな事業戦略を思いつくことができることです。
一方、PESTのデメリットは、4要因を洗い出すのに時間がかかること、4要因の関わり合いを考察するには十分な前提知識が必要なことです。
よって、PEST分析はビジネス感がある中級者向けのフレームワークと言えるでしょう。
PEST分析とSWOT分析の違い
PEST分析とSWOT分析の違いは、競合と比較した分析を行うかどうかです。
つまり、PEST分析はあくまでも自社を取り巻くマクロ環境を把握するためのフレームワークである、一方SWOT分析は競合と比較しながらも自社の強みと弱みを洗い出し、弱みを強みに変えるための戦略立案を考えやすくするためのフレームワークです。
簡単にいうと、SWOT分析におけるO(機会)とT(脅威)を把握するためにPEST分析を行う流れになります。
ちなみに3C分析とSWOT分析の違いも議論の的になりがちです。
3C分析とSWOT分析の主な違いは、リサーチの粒度にあります。
つまり、3C分析はSWOT分析よりも具体的に市場・顧客や競合分析や自社を分析をしなければなりません。
しかし、3C分析とSWOT分析はKSF(Key Success Fact)を考える点では同じと言えます。
まとめると、PEST分析は自社を取り巻くマクロ環境の把握に使われます。
またPEST分析はビジネス以外にも物事の整理するためにも使えるフレームワークなので理解しておくと便利でしょう。